婚約指輪にラボグロウンダイヤは大丈夫?IGIアジアヘッドオフィスの見解を日本初公開|Vela Diamond独自取材・後編
前編の取材で確認できたのは、ラボグロウンダイヤモンドが天然ダイヤモンドと同じ化学組成・物理的特性・光学的特性を持つ「本物のダイヤモンド」だということでした。
そのうえで、次に出てくるのが「では、どちらをどう選べばいいのか」という疑問です。婚約指輪や結婚指輪は一生に一度の買い物だからこそ、「ラボグロウンを選んで後悔しないか」「品質は何を基準に判断すればよいのか」と迷う声は少なくありません。
米国では、婚約指輪のセンターストーンにラボグロウンダイヤモンドが選ばれる割合が61%に達し、天然ダイヤモンドを上回っています。同じ予算の中で、より大きな石や高い品質グレードを検討しやすいことなどを背景に、日本でも選択肢は着実に広がっています。
後編となる今回は、「選び方」編です。天然とラボグロウンはそれぞれどのような方に向いているのか、品質評価の基準である「4C」はどう見ればよいのか、そして購入時に何を確認すべきなのか。引き続き、IGIアジアパシフィックヘッドオフィスのRita Xu氏に伺いました。聞き手は前編と同じく、IGIのダイヤモンド専門資格「Diamond Graduate(D.G.)」を保有するVela Diamond創業者の桜木麗佳です。
Vela Diamond 独自取材
IGIアジアパシフィックヘッドオフィスの見解を、日本の消費者に向けて初めて公開します。
日本のお客様が抱く疑問を、世界最大級の宝石鑑定機関に直接伺いました。本記事はその後編です。
※取材内容は2026年7月28日時点におけるIGIアジアパシフィックヘッドオフィスへの確認に基づいています。
天然とラボグロウン、それぞれどのような方に向いているのでしょうか?
桜木:IGIは、長年にわたり天然ダイヤモンドの鑑定分野で信頼と実績を築いてこられました。現在では、ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書についても、世界有数の発行実績を持つ機関の一つです。天然・ラボグロウン双方を鑑定する立場から、それぞれどのような方に向いているとお考えですか。
Rita氏:天然ダイヤモンドは、地球が長い年月をかけて生み出した地質学的な希少性や、唯一無二のストーリーに価値を見出す方に向いています。
一方、ラボグロウンダイヤモンドは、環境やエシカルな消費を意識した選択をしたい方にとって、魅力的な選択肢です。
どちらかが優れているということではなく、双方が異なる魅力を持っています。ご自身がジュエリーに対して何を大切にしたいかという価値観に合わせて、納得して選ぶことが最も重要だと考えています。
婚約指輪・結婚指輪に、ラボグロウンダイヤモンドを安心して選ぶことはできるのでしょうか?
桜木:日本では、婚約指輪や結婚指輪という一生ものの買い物だからこそ、「ラボグロウンを選んで本当に大丈夫なのか」と迷われる方が多くいらっしゃいます。大切な記念のジュエリーとして、安心して選べるものなのでしょうか。
Rita氏:ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ化学組成・物理的特性・光学的特性を持つ、本物のダイヤモンドです。
天然かラボグロウンか、どちらを選ぶかは、最終的にはお二人が何に価値を置くかによって異なります。ただし、品質評価の観点において、ラボグロウンダイヤモンドが天然ダイヤモンドに劣ることはありません。
ラボグロウンダイヤモンドの4Cは、どのように評価されるのでしょうか?
桜木:天然ダイヤモンドの品質評価には、カット・カラー・クラリティ・カラットの「4C」という基準があります。IGIでは、ラボグロウンダイヤモンドをどのように評価しているのでしょうか。
Rita氏:IGIでは、ラボグロウンダイヤモンドの4Cを天然ダイヤモンドとまったく同じ基準で評価します。4Cは普遍的な品質基準であり、ラボグロウンだからといって基準が変わることはありません。天然ダイヤモンドと同じ基準で品質を見ていただければ問題ありません。
IGIは、なぜラボグロウンダイヤモンドの鑑定にいち早く取り組んだのでしょうか?
桜木:IGIは天然ダイヤモンドの鑑定を長年手がけてこられました。ラボグロウンダイヤモンドの鑑定にいち早く取り組んだのには、どのような理由があったのでしょうか。
Rita氏:消費者を守るためです。ラボグロウンダイヤモンドが市場に登場した時、第三者機関による客観的な品質証明がなければ、消費者が正しい判断をする手段がありません。IGIは宝石鑑定機関として、天然ダイヤモンドと同じ厳密な基準でラボグロウンダイヤモンドを鑑定することが自分たちの使命だと考えました。市場の透明性を守ることが、IGIの存在意義です。
ダイヤモンドジュエリーを選ぶうえで、最も大切にすべき視点は何でしょうか?
桜木:天然かラボグロウンかに関わらず、消費者がダイヤモンドジュエリーを選ぶうえで、最も大切にすべき視点は何だとお考えですか。
Rita氏:ご自身の選択に「納得感」を持つことです。ジュエリーにはデザインやブランドの魅力など多様な価値がありますが、その土台となるダイヤモンドそのものは、カット・カラー・クラリティ・カラットという国際的な普遍的基準で正しく評価されます。
どのような選択をする場合でも、第三者機関による信頼できる品質証明を確認し、その石の客観的なクオリティを正しく把握したうえで選ぶこと。それが、後悔のない納得のいくジュエリー選びにつながると考えています。
まとめ:「どちらが正しいか」ではなく「何に納得できるか」
今回の取材で確認できたポイントを整理します。
- 天然ダイヤモンドは、地球が長い年月をかけて生み出した希少性や成り立ちに価値を見出す方に向いている
- ラボグロウンダイヤモンドは、環境やエシカルな消費を意識した選択をしたい方にとって魅力的な選択肢。同じ予算でより大きな石や高い品質グレードを検討しやすい点も背景の一つ
- 品質評価の観点において、ラボグロウンダイヤモンドが天然ダイヤモンドに劣ることはない
- 4Cは普遍的な品質基準であり、IGIはラボグロウンダイヤモンドを天然ダイヤモンドとまったく同じ基準で評価している
- IGIがラボグロウンダイヤモンドの鑑定にいち早く取り組んだのは、消費者を守り、市場の透明性を保つため
- 最も大切なのは、第三者機関による品質証明を確認したうえで、自分たちの価値観に照らして「納得して選ぶ」こと
一生もののジュエリーだからこそ、天然かラボグロウンかという名称だけで判断するのではなく、第三者機関による品質証明を確認し、その石の品質とご自身の価値観の双方に納得して選ぶこと。それが、後悔のない選択につながります。
Vela Diamondは、この客観的なファクトを土台に、多様化する現代のブライダルシーンにおいて、自信を持って選べる「根拠のある輝き」を提案してまいります。
※出典:The Knot「Real Weddings Study 2026」。2025年に結婚した米国のカップル10,474組を対象とした調査。婚約指輪のセンターストーンの61%がラボグロウンダイヤモンドであったと報告。
お話を伺った方
Rita Xu(リタ・シュー)
IGI(International Gemological Institute)アジアパシフィックヘッドオフィス トレーニング部門 プロフェッショナルコース責任者/IGI特級宝石学講師。ダイヤモンド、カラーストーン、真珠の鑑定教育を専門とする宝石学のスペシャリスト。LVMH、リシュモン、ケリングをはじめとする世界的なラグジュアリーグループに対し、長年にわたりジュエリー専門研修を提供。FGA(英国宝石学協会)ディプロマをはじめとする複数の宝石学資格を保有し、大学での宝石学講義も担当している。10年以上にわたり世界各地の鉱区や主要な国際宝石取引市場を自ら訪れ、理論と流通現場の双方に精通する。
聞き手
桜木 麗佳(Reika Sakuragi)
Vela Diamond Founder/株式会社DiAnchor 代表取締役。IGIにてダイヤモンド分野の専門資格「Diamond Graduate(D.G.)」を取得し、天然・ラボグロウン双方のグレーディング、原石評価、カットプランニングまでを国際基準に基づいて学ぶ。その知見をVela Diamondの品質基準の策定、ダイヤモンドの選定、情報発信に生かしている。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。
Vela Diamondでは、全商品にIGIの鑑定書を標準付属し、D〜Eカラー・VS〜VVSクラスの品質基準を採用しています。
▶ 前編:ラボグロウンダイヤモンドは本物?IGIアジアヘッドオフィスの見解を日本初公開


